夜、何度もトイレに起きる
夜間頻尿眠りの途中で何度も目が覚め、トイレに行く。
SLEEP APNEA
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
ご自身に眠気がなくても、ご家族が気づいたいびきや呼吸の変化は相談のきっかけになります。夜の様子と昼間の体調を伺い、必要な検査と治療を一緒に考えます。
「家族に呼吸が止まると言われた」「いびきだけでも受診していい?」
このページでわかること

よくある症状
いびきや日中の眠気のほかに、次のような困りごとがきっかけになることもあります。[1・2]
眠りの途中で何度も目が覚め、トイレに行く。
目覚めたときに頭が重い、痛いと感じる。
起きてすぐ水を飲みたくなるほど、口が渇く。
ほかにも、寝ても休まらない・日中に集中しづらいといった症状があります。これらはほかの病気や睡眠不足でも起こるため、症状と検査を合わせて確認します。
症状を知る
体格だけでは気づきにくい睡眠時無呼吸もあります。あごの小ささや位置、歯並び・かみ合わせが気になる方は、いびきや睡眠の悩みとあわせてご相談ください。

見た目や歯並びだけで睡眠時無呼吸とは判断できません。症状を伺い、必要な検査で確認します。
睡眠時無呼吸があっても、強い眠気を感じない方もいます。やせている方も、いびきや呼吸の指摘があればご相談ください。[1・2]
肥満だけでなく、あごの形、舌や扁桃、鼻の通りなども関係します。高血圧、不整脈、心不全などの診療中に評価が必要になる場合もあります。これらの病気には複数の原因があるため、それぞれの治療も続けます。[1・3]
眠気があるときの安全
強い眠気やあくびが続くときは、運転や高所作業、危険を伴う機械の操作を無理に続けないでください。運転中は安全な場所に停車し、休息をとります。眠気が続く場合は医師に相談してください。CPAPの記録が良好でも、睡眠不足などで眠くなることがあります。その日の眠気にも注意してください。[2・4]

症状を知る
当てはまる項目を、診察で伝える手がかりにしましょう。
STOP-Bang(ストップバング)は、睡眠時無呼吸の可能性を考えるための8つの確認項目です。名前は、下の英語の頭文字から付けられています。[15]
当てはまる項目を選んでください
3点以上:相談の目安 / 5点以上:検査の必要性を相談このチェックだけで診断や重症度は決まりません。該当が少なくても、呼吸停止の指摘や気になる症状があればご相談ください。分からない項目は無理に埋めなくて構いません。
初診・ご相談の流れを見る →日本語版の検証研究を参考に、BMIは30以上で採点します。各項目1点、合計8点。受診前の目安であり、診断ではありません。未選択は加点されません。分からない項目は診察で確認しましょう。チェック内容は保存・送信されません。
日本プライマリ・ケア連合学会誌の研究(2019年)を参考にしています。BMIの基準を30と35で比較したROC解析では、30の方が良好な傾向でしたが、統計学的な有意差はありませんでした。
内科入院患者144人の検討では、中等症〜重症の検出について、3点以上で感度95.7%・特異度42.9%、5点以上で感度69.6%・特異度85.7%でした。これは研究集団の成績で、個人の発症確率や診断結果を示す数値ではありません。
症状を知る
いびきは空気の通り道が狭くなっている手がかりです。呼吸が止まるかどうかは、音だけでは判断できません。

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)では、睡眠中に筋肉の緊張がゆるみ、舌根や軟口蓋の周囲で気道が狭くなったり、ふさがったりします。鼻から入った空気が肺へ通りにくくなり、いびきや無呼吸につながります。呼吸の再開に伴う短い覚醒や低酸素が繰り返され、眠りと体に負担がかかります。[1・2・7]
一方、中枢性睡眠時無呼吸(CSA)は、呼吸の指令が弱まるなどして呼吸努力そのものが低下するタイプです。心不全や薬の影響も調べます。いびきの音だけでは見分けられないため、検査で呼吸の止まり方を確かめて治療を選びます。[2]
診察・検査を知る
就寝・起床時刻、睡眠時間、飲酒、薬の使用、体重変化、鼻づまり、既往歴を伺います。同居する方の観察も役立ちます。昼間の眠気があれば、睡眠不足や過眠症など別の原因も検討します。質問票は評価の補助であり、質問票だけでSASと診断するものではありません。[2]
いつから、どのような症状で困っているか、普段の睡眠時間・生活リズム、服用中の薬やサプリメントを整理しておくと診察の助けになります。睡眠日誌や過去の検査結果があれば、あわせてご相談ください。

診察・検査を知る
まずは診察で検査の必要性を確認します。自宅で呼吸の状態を調べ、必要に応じて眠りも詳しく測ります。
第1段階は、ご自宅で行う簡易検査です。診察で必要性を確認したうえで、睡眠中の呼吸イベントや酸素の変化などを調べる予定です。ウォッチパットのような装置は、指先の脈波などから呼吸イベントや睡眠・覚醒を推定します。検査方式により測れる内容が異なり、脳波で眠りを測るPSGとは評価方法が異なります。[2・8]

第2段階は、必要に応じて行う在宅PSG(終夜睡眠ポリグラフ検査)です。簡易検査だけでは判断が難しい場合や、結果が軽くても症状から無呼吸が疑われる場合などに、脳波、眼球運動、筋電図、呼吸、酸素の変化を合わせて詳しく調べます。簡易検査の結果を診察で確認してから、次の検査へ進む流れです。[2・9]

全員が2つの検査を受けるわけではありません。簡易検査の結果と症状からCPAPを検討できる場合もあります。在宅PSGの実施条件や記録の十分さを確認し、持病やほかの睡眠障害が疑われる場合には、施設内でのPSGなど別の方法を検討します。AHIは睡眠1時間当たりの無呼吸・低呼吸の回数です。[2・6]
治療・その後を知る
呼吸の乱れの程度、歯やあごの状態、生活やご希望を確認し、続けやすい方法を相談します。

CPAP(持続陽圧呼吸療法)は、マスクから圧力をかけた空気を送り、睡眠中の気道を保つ治療です。導入後は使用時間だけでなく、空気漏れ、鼻や口の乾燥、マスクの痛み、残る眠気なども確認します。使い心地に合わせて、マスクや加湿などを調整します。[1・4]

スリープスプリント(医療用マウスピース)は、下あごを前方に保持し、舌の後ろの空気の通り道を広げる口腔内装置です。歯やあごの状態、無呼吸の程度、ご希望を踏まえ、歯科と連携して作製・調整します。体重管理、飲酒の見直し、寝る姿勢の調整も病状に応じて組み合わせます。[1・5]

体重が無呼吸に関わる方では、食事・運動療法に加え、チルゼパチド(ゼップバウンド)による治療を検討する場合があります。週1回の自己注射で体重の減少を通した無呼吸の改善を目指します。
肥満症外来などと連携し、検査結果・BMI・これまでの治療と、薬の適応や実施施設の条件を確認してご案内します。CPAPは自己判断で中止せず、治療効果を確認しながら調整します。
ゼップバウンドの適応・注意点を見る →
扁桃の大きさや、鼻・のど・顎の形、気道が狭くなる場所を確認し、手術が適しているかを検討します。扁桃の摘出やのどを広げる手術(UPPP)、鼻づまりに対する手術、上下の顎を前へ動かす手術(MMA)などがあります。
期待できる効果だけでなく、手術の負担や回復までの期間、費用も専門の診療科で確認します。開院後は、検査結果や治療経過をもとに、詳しい評価・手術を行う専門施設へご紹介します。
手術後も睡眠検査で効果を確かめ、CPAPなどの継続・変更を相談します。
手術の種類・適応・術後の確認を詳しく見る →
体内に植え込んだ装置から舌を動かす神経へ電気刺激を送り、睡眠中の気道を保つ治療です。CPAPを使い続けることが難しい中等度〜重度の閉塞性睡眠時無呼吸の方などで検討します。
植込み手術と、その後の調整が必要です。体格やのどの構造などの適応条件を専門施設で確認します。当院ではご相談を受け、詳しい評価・手術に対応する医療機関へ紹介する方針です。
HNSの仕組み・適応・注意点を見る →治療・その後を知る
CPAPの保険適用を検討する目安は、簡易検査の指標が30以上、または在宅PSGなどで測定したAHIが15以上の場合です。検査値に加え、日中の強い眠気や起床時の頭痛などによる生活への支障、PSGの所見など、保険適用の条件を医師が確認します。検査の重症度と、保険診療でCPAPを行う条件は分けて考えます。[6]
治療・その後を知る
CPAPを始めた後も、装着できた時間、空気漏れ、装置に記録される呼吸イベント、眠気や疲労感の変化を確認します。鼻づまり、口の乾き、マスクの圧迫感などがあると、使い続けるのがつらくなります。診察でお伝えいただければ、マスクや加湿などを調整します。[1]
呼吸が改善しても眠気が残る場合には、睡眠時間の不足、生活リズム、薬の影響、別の睡眠疾患などを改めて検討します。装置の数値が改善していても、眠気やつらさが残っていればお伝えください。体重や症状の変化、口腔内装置の導入後などには、治療効果の再評価が必要になることもあります。治療を自己判断で中断せず、日常生活で何が改善し、何が残っているかを診察で共有しましょう。

睡眠や酸素の表示は相談の手がかりになりますが、診断を確定したり除外したりする検査の代わりにはなりません。気になる記録と症状を一緒にお持ちください。
はい。症状が続いていれば、あらためてご相談ください。結果の数値だけでなく、装置の種類、記録時間、測定不良の有無も確認します。
継続の必要性は病状の変化に応じて判断します。体重が減った、いびきが減ったという理由だけで自己中止せず、必要に応じて再検査を行います。
症状を伺ってから、検査が必要か、どの方法が合うかをご説明します。
一般的な疾患・検査・治療の説明です。実際の診断や治療は個別の状態により異なります。
日本呼吸器学会:睡眠時無呼吸症候群(概要・症状・診断・治療)
AASM 成人OSA診断検査ガイドライン2017(推奨1–4、診断の背景)
日本呼吸器学会 SAS診療ガイドライン2020(国内診療との詳細照合対象)
厚生労働省:2026年度 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の留意事項
フィリップス:ドリームステーション 製品情報(画像作成の参考)
[11]こいけ歯科クリニック:スリープスプリント療法(画像作成の参考)
国立長寿医療研究センター:上気道閉塞とCPAPの図(解剖図作成の参考)
フィリップス:ウィスプ ネーザルマスク(鼻マスクの形状の参考)
当院の診療対象は13歳以上(中学生以上)です。2027年春ころ、武蔵小杉駅周辺での開院を予定しています。
いびきを指摘された、健診で相談を勧められた、日中に眠いといった理由からご相談いただく予定です。症状の確認から必要な睡眠検査、結果説明、治療選択、CPAPを続ける際の困りごとの相談へつなぐ診療を準備しています。歯科装置や手術の検討が必要な場合は、対応する歯科・専門医療機関へ紹介する方針です。