血圧の薬を飲んでいても数値が高い、朝の血圧が気になる。そんなとき、いびきや呼吸の停止が手がかりになることがあります。CPAPは眠っている間の呼吸を整え、眠気や睡眠に伴う困りごとの改善を目指す治療です。高血圧がある方では血圧管理を支える効果も期待されます。成人の閉塞性睡眠時無呼吸を中心に紹介します。
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血圧の記録に、夜の様子も添えて
診察室では血圧の数値を相談していても、いびきのことまでは話していないかもしれません。無呼吸は眠っている間に起こるため、ご本人より家族が先に気づくことがあります。気になる夜の様子があれば、高血圧の診察時に一緒にお伝えください。
眠気をあまり感じない方にも無呼吸は見つかります。体格だけで判断せず、いびきや呼吸の停止、血圧の経過を合わせて相談することが大切です。米国心臓協会の声明でも、治療しても血圧が下がりにくい方などでは、睡眠時無呼吸の評価を勧めています。
眠気の自覚だけでは、夜の呼吸の状態は分かりません。
無呼吸が血圧に関わるしくみ
閉塞性睡眠時無呼吸では、眠っている間に喉の空気の通り道が狭くなったり、ふさがったりします。息を吸おうとしていても十分な空気が通らず、血液中の酸素が下がることがあります。呼吸を再開する前後には、本人が覚えていない短い目覚めも起こります。
そのたびに、体を活動させる側の自律神経である「交感神経」が刺激されます。心拍や血管の収縮を通じて血圧が上がり、こうした変動が繰り返されます。息を吸おうと胸の中の圧が大きく変わることも、心臓への負担に関わります。
通常は眠っている間に血圧が下がる傾向がありますが、無呼吸があると十分に下がらない方もいます。日中の血圧だけでは分からない、夜間の負担があることが、睡眠を確認する理由です。
酸素低下と短い目覚めが、夜間の血圧変動に関わります。

CPAPは呼吸を整え、血圧管理も支える
CPAP(シーパップ)は、マスクから空気を送り、眠っている間の喉の通り道を開いておく治療です。適切に使うことで閉塞性の無呼吸・低呼吸を減らし、酸素低下や呼吸に伴う睡眠の中断を抑えます。日中の強い眠気や、眠りに伴う生活の困りごとを改善するために用いられています。
HIPARCO試験では、治療抵抗性高血圧と睡眠時無呼吸がある194人を、CPAPを追加する群と追加しない群に無作為に分けました。通常の降圧薬を続けながら、12週間後の24時間血圧を比較した研究です。
CPAP群では対照群より、24時間平均血圧の低下が3.1 mmHg大きくなりました。これは「上の血圧」そのものの値ではなく、研究で評価した平均血圧の指標です。拡張期血圧にも差があり、夜間に血圧が下がるパターンも改善しました。
この研究が伝えるのは、薬による治療に、睡眠時無呼吸の治療を加える意味があるということです。
研究の平均値は、一人ひとりの下がり幅を約束する数値ではありません。また、12週間の血圧変化を調べた試験なので、この結果だけで将来の脳卒中や心筋梗塞の予防効果まで決めることはできません。
CPAPは睡眠中の気道を保つ治療です。

記録を共有して、二つの治療を続ける
最初の診察では、血圧の経過、お薬手帳、いびきや呼吸の停止、日中の眠気、睡眠時間を確認します。家族が気づいた夜の様子も手がかりです。家庭血圧を記録している方は、手帳やアプリの記録をお持ちください。新しい資料をすべてそろえてから受診する必要はありません。
睡眠時無呼吸が疑われる場合には、自宅で呼吸の状態を調べる簡易検査や、脳波を含めて睡眠と呼吸を記録するPSGを検討します。検査では呼吸の乱れの回数だけでなく、酸素低下や睡眠の状態も確認します。簡易検査で十分に分からない場合や持病によっては、より詳しい検査が役立ちます。
血圧が下がってきた場合も、降圧薬の減量や中止は、主治医と記録を見ながら相談します。CPAPの圧も自己判断で変更せず、医療機関で使用記録と合わせて確認します。塩分、運動、体重、飲酒などへの取り組みは、無呼吸の治療とともに続けていく内容です。
降圧薬とCPAPは、担当医と相談しながら調整します。
眠りと持病の経過を一緒に振り返ると、次に相談することが見えてきます。いまの治療を続けながら、気になる変化を担当医へ伝えてください。
参考文献・出典
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療上のアドバイスではありません。体調や服薬、運転を含む日常生活での注意は、担当医師にご相談ください。




