SLEEP, MEDICINE & DRIVING
眠気・睡眠薬と運転|睡眠時無呼吸と事故予防
運転中の眠気、睡眠時無呼吸、薬の影響を確かめる。
ご本人と、会社の安全・健康管理を担当する方へ。


「運転中に眠くなる」「睡眠薬を飲んでいるけれど運転してよい?」「会社で無呼吸の検査を取り入れたい」。運転前の確認から、睡眠時無呼吸の検査・治療、薬ごとの注意、企業の対応までをまとめました。薬の名前は、お薬手帳で確かめながらご覧ください。
このページの目次
眠気・無呼吸、薬の種類、会社の対応など、知りたい項目からお読みいただけます。
運転前に確かめること
通勤・送迎・仕事で車を使う方は、出発前に次の点を確認してください。プロドライバーの点呼でも、具体的に聞き取ることが大切です。
- 昨夜の睡眠:何時から何時まで眠れたか。途中で何度も起きていないか。夜勤・早朝勤務が続いていないか。
- 今の状態:まぶたが重い、ぼんやりする、意図せずうとうとする、反応が遅い感覚がないか。
- 前回の運転:車線を外れそうになった、信号を見落とした、途中の記憶が抜けたなどのヒヤリ・ハットがなかったか。
- 薬・飲酒:睡眠薬、抗不安薬、花粉症やかぜの薬を含め、運転の注意を確認したか。服薬開始・増量・飲み合わせに変更がないか。
- SASの治療:処方されたCPAPやマウスピースを使えているか。機器の不調や治療中断、眠気の再発がないか。
眠気や意識が途切れる感じがある日は運転を控え、会社の担当者や医療機関に相談してください。「何時間寝たから安全」と、睡眠時間だけで判断することはできません。
運転中に眠くなったら
眠気を感じたら、走り続けず、サービスエリアなど安全に停車できる場所で運転を中止します。休憩・睡眠を取り、会社には運転者交替や運行変更を相談してください。
窓を開ける、音楽をかける、カフェインを取るだけで運転を続けないでください。休んでも眠気が残る、繰り返しうとうとする場合は運転を再開せず、別の移動手段を使って受診を相談しましょう。
運転中の失神や突然の意識消失は、SAS以外にも心臓・脳の病気などで起こります。意識障害、胸痛、片側の手足の力が入らないなど急な異常があれば、救急対応が必要です。
いびき・無呼吸と運転の関係
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まったり浅くなったりする病気です。眠りが分断され、日中の眠気や集中力の低下につながることがあります。
大きないびき、家族に指摘される呼吸停止、起床時の頭痛、十分寝たつもりでも残る眠気があれば相談のきっかけになります。眠気の自己申告や体型だけでは、SASの有無を判断できません。やせている方や、眠気を強く感じない方にも無呼吸はあります。
企業のスクリーニングは、精密検査が必要な方を見つける入口です。異常があれば診察・必要な睡眠検査へつなぎます。結果が軽い、または異常なしでも、運転中の眠気やヒヤリ・ハットが続く場合は、睡眠不足や他の睡眠障害を含めて再評価します。
CPAPは眠っている間の気道を保ち、無呼吸を治療します。使いにくさや出張中の使用が課題なら、自己中断せず医療機関へ相談してください。運転再開・乗務継続は、治療効果、使用状況、残る眠気、勤務内容を確認し、主治医・産業医・会社で調整します。
薬と運転|種類ごとの注意
まず説明書の読み方と診察での相談事項を確認し、その後に薬の種類ごとの注意を紹介します。お薬手帳で薬の名前を確かめてご覧ください。
薬の説明書の「運転」をどう読む?
電子添文(医療者向けの薬の説明書)の「8.重要な基本的注意」などを確認しています。下の一覧は、その記載を短く言い換えたものです。
- 運転を避ける:服用中は運転などに従事させないよう求める記載です。
- 注意・医師が判断:症状や薬の影響を確認して対応します。誰でも運転できるという意味ではありません。
- 個別記載なし:確認した項目に運転の注意書きがないという意味です。眠気や併用薬の確認は必要です。
確認日:2026年9月29日。一般名の下に、確認した製品名を載せています。別の剤形・後発品では節番号などが異なることがあるため、お手元の薬の説明もご確認ください。各製品の電子添文は末尾の「参考文献・出典」から開けます。
次の診察で、運転のことも相談しましょう
診療では、電子添文の注意事項を確認したうえで、症状と生活の両方を伺います。いつ、どのくらい運転するかが分かると、治療の相談が具体的になります。
- 通勤・送迎・仕事で運転する時刻と時間
- 処方薬、市販薬、サプリメントの名前と飲む時刻
- 睡眠時間、翌朝の眠気・ふらつき、ヒヤリとした経験
- 飲み始め・増量後の変化と、運転を控える間の移動手段
運転を再開する時期や、薬を変更できるかは、かかりつけの処方医と相談してください。薬を減らしたり中止したりする場合にも、症状の再燃や中止に伴う変化を見ながら進めます。
睡眠薬と運転
夜に飲む薬でも、翌朝の運転に影響が残ることがあります。効き方の種類や半減期だけで、運転できる時刻を決めることはできません。
表は左右にスクロールできます →
| 一般名/商品名 | 運転の注意 | 電子添文の内容(要旨)・該当項 |
|---|---|---|
| ベンゾジアゼピン系 | ||
| トリアゾラムハルシオン | 服用中は運転を避ける | 翌朝にも眠気や注意力・反応の低下が残ることがあるため、運転を避けます。電子添文:8.2項 |
| ブロチゾラムレンドルミンD錠 | 服用中は運転を避ける | 翌朝にも眠気や注意力・反応の低下が残ることがあるため、運転を避けます。電子添文:8.1項 |
| フルニトラゼパムサイレース | 服用中は運転を避ける | 翌朝にも眠気や注意力・反応の低下が残ることがあるため、運転を避けます。電子添文:8.1項 |
| 非ベンゾジアゼピン系 | ||
| ゾルピデム酒石酸塩マイスリー | 服用中は運転を避ける | 翌朝にも眠気や注意力・反応の低下が残ることがあるため、運転を避けます。電子添文:8.2項 |
| エスゾピクロンルネスタ | 服用中は運転を避ける | 翌朝にも眠気や注意力・反応の低下が残ることがあるため、運転を避けます。電子添文:8.2項 |
| オレキシン受容体拮抗薬 | ||
| スボレキサントベルソムラ | 服用中は運転を避ける | 翌朝にも眠気や注意力・反応の低下が残ることがあるため、運転を避けます。電子添文:8.1項 |
| レンボレキサントデエビゴ | 服用中は運転を避ける | 翌朝にも眠気や注意力・反応の低下が残ることがあるため、運転を避けます。電子添文:8.1項 |
| ダリドレキサントクービビック | 服用中は運転を避ける | 翌朝にも眠気や注意力・反応の低下が残ることがあるため、運転を避けます。電子添文:8.1項 |
| ボルノレキサントボルズィ | 医師が状態を確認して判断 | 医師が運転の適否を慎重に判断し、十分な注意を指導します。眠気などがあるときは運転しません。電子添文:8.1項 |
| メラトニン受容体作動薬 | ||
| ラメルテオンロゼレム | 服用中は運転を避ける | 翌朝にも眠気や注意力・反応の低下が残ることがあるため、運転を避けます。電子添文:8.1項 |
脚のむずむず・睡眠中の行動に使う薬
表は左右にスクロールできます →
| 一般名/商品名 | 運転の注意 | 電子添文の内容(要旨)・該当項 |
|---|---|---|
| むずむず脚(RLS)の治療薬 | ||
| プラミペキソール塩酸塩水和物ビ・シフロール通常錠 | 服用中は運転を避ける | 前触れなく眠り込む「突発的睡眠」にも注意が必要です。眠気の自覚がなくても、服用中は運転を避けます。電子添文:1(警告)・8.1項 |
| ガバペンチン エナカルビルレグナイト | 服用中は運転を避ける | 眠気や注意力・反応の低下が起こることがあります。服用中は運転を避けます。電子添文:8.2項 |
| RBDの治療薬 | ||
| クロナゼパムリボトリール | 服用中は運転を避ける | RBDの治療で使う場合も、眠気や注意力・反応の低下に注意し、運転を避けます。RBDへの使用は国内の承認適応外です。電子添文:8.7項 |
RLSで鉄を補う治療については、使う鉄剤ごとの説明を確認します。体内時計の治療で話題になるメラトニンも、国や製品によって扱いが異なります。この一覧をそのまま当てはめず、実際に使う製品を医師・薬剤師にお伝えください。
日中の眠気・体重への治療薬
眠気を改善する薬を飲んでいても、覚醒が十分に保てているかを確かめます。睡眠不足や、睡眠時無呼吸などの治療状況も大切です。
表は左右にスクロールできます →
| 一般名/商品名 | 運転の注意 | 電子添文の内容(要旨)・該当項 |
|---|---|---|
| 日中の眠気の治療薬 | ||
| モダフィニルモディオダール | 医師が状態を確認して判断 | 服薬しても眠気が十分に改善しないことがあります。日中の状態を確認し、必要に応じて運転を控えるよう指導します。電子添文:8.1項 |
| メチルフェニデート塩酸塩リタリン通常錠 | 服用中は運転を避ける | めまい、眠気、見え方の異常などが起こることがあるため、服用中は運転を避けます。電子添文:8.6項 |
| オベポレクストンオーゼイフル | 医師が状態を確認して判断 | ナルコレプシーや薬の影響で覚醒が十分に戻らない可能性があります。症状を確認し、眠気などがあるときは運転しません。電子添文:8.1項 |
| 体重への治療薬 | ||
| チルゼパチドゼップバウンド皮下注アテオス | 低血糖に注意して相談 | 低血糖を起こすことがあるため、運転する方への投与に注意が必要です。併用薬も伝え、低血糖時の対応を確認します。電子添文:8.12項 |
精神科で使う薬
同じ「精神科の薬」でも、運転の注意書きは異なります。病状の安定と副作用の両方を確認し、通勤・仕事での運転について、普段診療を受けている医師に相談してください。
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| 一般名/商品名 | 運転の注意 | 電子添文の内容(要旨)・該当項 |
|---|---|---|
| 抗精神病薬 | ||
| アリピプラゾールアリピプラゾール錠3・6・12・24mg「YD」 | 服用中は運転を避ける | 眠気や注意力などへの影響があるため、服用中は運転を避けます。電子添文:8.1項 |
| リスペリドンリスパダール錠1・2・3mg/細粒1% | 服用中は運転を避ける | 眠気や注意力などへの影響があるため、服用中は運転を避けます。電子添文:8.2項 |
| オランザピンジプレキサ細粒1% | 服用中は運転を避ける | 眠気や注意力などへの影響があるため、服用中は運転を避けます。電子添文:8.6項 |
| クエチアピンフマル酸塩セロクエル25・100・200mg錠/細粒50% | 服用中は運転を避ける | 眠気や注意力などへの影響があるため、服用中は運転を避けます。電子添文:8.6項 |
| ブレクスピプラゾールレキサルティ錠1・2mg | 服用中は運転を避ける | 眠気や注意力などへの影響があるため、服用中は運転を避けます。電子添文:8.1項 |
| ルラシドン塩酸塩ラツーダ錠20・40・60・80mg | 服用中は運転を避ける | 眠気や注意力などへの影響があるため、服用中は運転を避けます。電子添文:8.2項 |
| 抗うつ薬 | ||
| セルトラリン塩酸塩ジェイゾロフト錠/OD錠25・50・100mg | 運転時に十分注意 | 眠気やめまいなどに注意し、運転の予定を処方医へ伝えてください。症状があるときは運転しません。電子添文:8.5項 |
| エスシタロプラムシュウ酸塩レクサプロ錠10・20mg | 運転時に十分注意 | 眠気やめまいなどに注意し、運転の予定を処方医へ伝えてください。症状があるときは運転しません。電子添文:8.5項 |
| ミルタザピンリフレックス錠15・30mg | 服用中は運転を避ける | 眠気や注意力などへの影響があるため、服用中は運転を避けます。電子添文:8.5項 |
花粉症・アレルギーに使う薬
ここでは医療用の飲み薬を比較しています。市販の鼻炎薬、かぜ薬、睡眠改善薬などには、ほかの成分が組み合わされていることがあります。商品ごとの説明書を確認してください。
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| 一般名/商品名 | 運転の注意 | 電子添文の内容(要旨)・該当項 |
|---|---|---|
| 抗ヒスタミン薬 | ||
| フェキソフェナジン塩酸塩アレグラ錠30・60mg | 8項に運転の個別記載なし | 確認した製品の8項には、運転の禁止・注意に関する個別の記載はありません。眠気などがあるときは運転せず、併用薬も確認します。電子添文:8.1~8.2(8項全体) |
| ロラタジンクラリチン錠10mg/レディタブ錠10mg | 8項に運転の個別記載なし | 確認した製品の8項には、運転の禁止・注意に関する個別の記載はありません。眠気などがあるときは運転せず、併用薬も確認します。電子添文:8.1~8.2(8項全体) |
| ビラスチンビラノア錠20mg | 8項に運転の個別記載なし | 確認した製品の8項には、運転の禁止・注意に関する個別の記載はありません。眠気などがあるときは運転せず、併用薬も確認します。電子添文:8.1~8.2(8項全体) |
| デスロラタジンデザレックス錠5mg | 8項に運転の個別記載なし | 確認した製品の8項には、運転の禁止・注意に関する個別の記載はありません。眠気などがあるときは運転せず、併用薬も確認します。電子添文:8.1~8.2(8項全体) |
| セチリジン塩酸塩ジルテック錠5・10 | 服用中は運転を避ける | 眠気や注意力などへの影響があるため、服用中は運転を避けます。電子添文:8.1項 |
| オロパタジン塩酸塩アレロックOD錠2.5・5 | 服用中は運転を避ける | 眠気や注意力などへの影響があるため、服用中は運転を避けます。電子添文:8.1項 |
てんかんの薬:2026年に注意事項が改訂
一部の薬では、てんかんの治療に使う場合、学会の留意事項を理解した医師が運転の適否を慎重に判断する記載に変わりました。発作の状態に応じた免許の要件は、薬の注意書きとは別に確認が必要です。
表は左右にスクロールできます →
| 一般名/商品名 | 運転の注意 | 電子添文の内容(要旨)・該当項 |
|---|---|---|
| 抗てんかん薬 | ||
| カルバマゼピンテグレトール | 治療する病気によって異なる | てんかんでは医師が運転の適否を慎重に判断します。躁状態・統合失調症の興奮状態・三叉神経痛など、ほかの適応では運転を避ける記載です。電子添文:8.4・8.8項 |
| ラモトリギンラミクタール | 治療する病気によって異なる | てんかんでは医師が慎重に判断します。双極性障害の再発・再燃を抑える治療では、服用中の運転を避ける記載です。電子添文:8.5・8.7項 |
| レベチラセタムイーケプラ錠 | 医師が状態を確認して判断 | 学会の留意事項を理解した医師が慎重に判断します。眠気などがあるときは運転しません。この説明は経口製剤についてです。電子添文:8.2項 |
運転の注意書きは、どう変わってきた?
厚生労働省が、添付文書にある運転の禁止や注意を、医師・薬剤師から患者さんへ十分に説明するよう通知しました。すべての薬を新たに一律禁止にした通知ではありません。
運転事故に関する法整備が進むなか、日本精神神経学会は、病名だけを要件とする扱いへの懸念を示し、症状に着目するよう声明・要望書を出しました。2014年には、症状や運転能力を確認するための精神科医向けガイドラインを公表しています。
薬が自動車の運転技能に及ぼす影響を、非臨床・臨床試験などで評価するためのガイドラインが整えられました。
影響の強さや続く期間を、注意喚起に反映するための補遺が公表されました。ボルノレキサント(ボルズィ)は、国内で運転を一律に控える記載ではなく、十分な注意を求める記載となった初めての睡眠薬です。
207試験の図解と詳しい説明(開く・閉じる)
薬を飲んだ翌朝、車の位置をどれくらい安定して保てるか。207試験では、運転シミュレーターを使って調べました。
誰が、どんな条件で参加した?
高齢者を含む健康な男女61人が参加しました。同じ人が、ボルノレキサント10mg・20mg、薬の成分を含まないプラセボ、比較用のゾピクロン7.5mgという4つの条件を、順序を変えて経験する試験です。参加者にも評価者にも、どの薬か分からないようにしています。
各期間は8日間で、期間の間には7日間の休薬を設けました。ボルノレキサントとプラセボは8夜続け、ゾピクロンは1日目と8日目に服用しました。
20mgは試験で調べた用量です。日本で承認された通常用量は1回5mg、上限は1回10mgです。
何を測った?
初回と8回目の服用から9時間後に、60分間の模擬運転を実施。車が左右にどれくらいふらつくかを「SDLP」という数値で比べました。値が大きいほど、横方向の位置がばらついています。

結果をどう読む?
10mg・20mgとも、プラセボとの差について、平均的な影響の推定範囲(90%信頼区間)の上端は、あらかじめ定めた9.23cmを下回りました。この基準は別の飲酒試験をもとにした研究上の目安です。
一人ずつ見ると、この目安を超えた参加者もいました。10mgでは初回4人/55人、反復後2人/56人です。20mgの初回には、プラセボよりふらつきが増える差も認められました。
健康な人を対象とした模擬運転の結果なので、患者さん全員の安全や、実際の事故の起こりやすさをそのまま示すものではありません。
資料:大正製薬「ボルズィ 適正使用ガイド」17〜19頁 / Miyazaki Y, et al.(2025)。研究は大正製薬の資金で行われ、著者に同社社員が含まれます。
カルバマゼピンなど5成分の抗てんかん薬で注意事項が改訂されました。同じ成分でも、てんかん以外の治療では従来の運転回避の記載が残る場合があります。
運転の注意が「一律回避」ではない薬のまとめ
この記事で紹介した薬のうち、病状や副作用を確認して運転を判断する薬と、運転の個別記載がない薬をまとめました。何の治療で使っているかもあわせてご確認ください。
この表は「飲めば運転してよい薬」の一覧ではありません。眠気・めまい・ふらつきがあるときは運転を控え、通勤や仕事での運転は処方医に相談してください。
表は左右にスクロールできます →
| 使う目的・病気 | 一般名/商品名 | 運転の注意 | 確認すること・電子添文 |
|---|---|---|---|
| 不眠症 | |||
| 不眠症 | ボルノレキサントボルズィ | 医師が状態を確認して判断 | 医師が運転の適否を慎重に判断し、十分な注意を指導します。眠気などがあるときは運転しません。電子添文:8.1項 |
| 日中の眠気 | |||
| ナルコレプシーなどの日中の眠気 | モダフィニルモディオダール | 医師が状態を確認して判断 | 服薬しても眠気が十分に改善しないことがあります。日中の状態を確認し、必要に応じて運転を控えるよう指導します。電子添文:8.1項 |
| ナルコレプシー | オベポレクストンオーゼイフル | 医師が状態を確認して判断 | ナルコレプシーや薬の影響で覚醒が十分に戻らない可能性があります。症状を確認し、眠気などがあるときは運転しません。電子添文:8.1項 |
| 体重への治療 | |||
| 肥満症などの治療 | チルゼパチドゼップバウンド皮下注アテオス | 低血糖に注意して相談 | 低血糖を起こすことがあるため、運転する方への投与に注意が必要です。併用薬も伝え、低血糖時の対応を確認します。電子添文:8.12項 |
| 気分・不安の症状 | |||
| うつ病・うつ状態など | セルトラリン塩酸塩ジェイゾロフト錠/OD錠25・50・100mg | 運転時に十分注意 | 眠気やめまいなどに注意し、運転の予定を処方医へ伝えてください。症状があるときは運転しません。電子添文:8.5項 |
| うつ病・うつ状態など | エスシタロプラムシュウ酸塩レクサプロ錠10・20mg | 運転時に十分注意 | 眠気やめまいなどに注意し、運転の予定を処方医へ伝えてください。症状があるときは運転しません。電子添文:8.5項 |
| 花粉症・アレルギー | |||
| アレルギー性鼻炎・じんましんなど | フェキソフェナジン塩酸塩アレグラ錠30・60mg | 8項に運転の個別記載なし | 確認した製品の8項には、運転の禁止・注意に関する個別の記載はありません。眠気などがあるときは運転せず、併用薬も確認します。電子添文:8.1~8.2(8項全体) |
| アレルギー性鼻炎・じんましんなど | ロラタジンクラリチン錠10mg/レディタブ錠10mg | 8項に運転の個別記載なし | 確認した製品の8項には、運転の禁止・注意に関する個別の記載はありません。眠気などがあるときは運転せず、併用薬も確認します。電子添文:8.1~8.2(8項全体) |
| アレルギー性鼻炎・じんましんなど | ビラスチンビラノア錠20mg | 8項に運転の個別記載なし | 確認した製品の8項には、運転の禁止・注意に関する個別の記載はありません。眠気などがあるときは運転せず、併用薬も確認します。電子添文:8.1~8.2(8項全体) |
| アレルギー性鼻炎・じんましんなど | デスロラタジンデザレックス錠5mg | 8項に運転の個別記載なし | 確認した製品の8項には、運転の禁止・注意に関する個別の記載はありません。眠気などがあるときは運転せず、併用薬も確認します。電子添文:8.1~8.2(8項全体) |
| てんかん | |||
| てんかんの治療に使う場合 | カルバマゼピンテグレトール | 治療する病気によって異なる | てんかんでは医師が運転の適否を慎重に判断します。躁状態・統合失調症の興奮状態・三叉神経痛など、ほかの適応では運転を避ける記載です。電子添文:8.4・8.8項 |
| てんかんの治療に使う場合 | ラモトリギンラミクタール | 治療する病気によって異なる | てんかんでは医師が慎重に判断します。双極性障害の再発・再燃を抑える治療では、服用中の運転を避ける記載です。電子添文:8.5・8.7項 |
| てんかんの治療に使う場合 | レベチラセタムイーケプラ錠 | 医師が状態を確認して判断 | 学会の留意事項を理解した医師が慎重に判断します。眠気などがあるときは運転しません。この説明は経口製剤についてです。電子添文:8.2項 |
抗てんかん薬は、てんかん以外の病気に使う場合には運転を避ける記載が残ることがあります。免許の要件も別に確認します。「個別記載なし」は、確認した製品の8項に運転の注意がないという意味です。出典は末尾の参考文献にまとめています。
事故報道・調査から学ぶこと
事故例では、運転者の健康状態に加えて、会社の検査・受診支援や運行管理も課題となります。
運輸・交通SAS対策支援センター|国内の事故例
2012年・関越道のツアーバス事故

SAS対策支援センターの解説では、事故後の鑑定で運転者がSASと診断されたことに加え、事業者の安全管理体制も問題となった事例として紹介されています。眠気の申告を待つだけでなく、検査・受診・治療を続けられる体制を会社として整えることが大切です。
SAS対策支援センターの国内事故例を読む(外部サイト) ↗2022年・名古屋市の大型乗合バス横転事故
2025年公表の国交省の調査では、適性診断でSASの可能性が高いと指摘されていたことを事業者が見逃し、検査や治療につなげていなかった点などが挙げられました。SASの可能性が指摘されていた事例であり、確定診断とは区別する必要があります。
事故発生時の国交省発表には、運行会社の「あおい交通株式会社」も記載されています。運輸業の事故では、運転者に加えて会社名や運行管理の状況も公表・報道されることがあります。事故防止は、乗務員本人だけに任せず、会社全体で取り組む課題です。
米国のトラック運転者を対象とした観察研究でも、OSA(閉塞性睡眠時無呼吸)の治療を守らなかった群で事故リスクが高く、治療を継続した群では対照群との差は統計的に明確ではありませんでした。日本の全運転者に同じ数値や結果が当てはまるとは限りませんが、検査後の治療継続を支える重要性が示されています。
報道・行政報告の読み方
報道、事故後の診断、行政の原因分析、裁判の判断は、それぞれ確認できる範囲が異なります。SASの疑いと確定診断を区別し、個々の事故をSASだけが原因と断定しないようにしてください。書類送検・容疑の報道は、有罪判決を意味しません。
会社・労働安全担当者が整える対応
衛生管理者・人事労務担当・運行管理者・産業医で役割を決め、検査から治療後の確認までつなげます。SASの診断だけを理由に不利益な扱いをせず、安心して眠気や治療の困りごとを申告できる職場を目指します。
- 申告と点呼:睡眠状況・体調・服薬・ヒヤリ・ハットを聞き取る。異常がある日の乗務変更や交替を決めておく。
- 検査の計画:対象者、検査方式、実施時期、費用負担、助成の事前手続き、結果の取扱いを確認する。
- 受診のフォロー:要精査の方が予約・受診できたか、受診時間の確保や業務調整を行う。
- 治療継続の支援:CPAPを使えない理由、出張中の機器、通院の負担を相談できる窓口をつくる。
- 乗務と勤務の調整:主治医・産業医の意見を踏まえ、残る眠気、治療状況、夜勤や長距離運行の負担を確認する。
- 振り返り:未受診・治療中断・眠気による運行変更を把握し、次の教育や勤務計画に生かす。
検査を実施して終わりにせず、要精査の受診と治療継続まで確認することが大切です。健康情報は取扱い担当と共有範囲を決め、本人への説明・必要な同意のもとで扱います。
国交省の指導資料・谷川先生の講習資料
国交省は2012年(平成24年)4月にトラック・バス・タクシーの安全教育マニュアルを公表しました。現行の公開案内では2024年(令和6年)3月改訂版が示されており、古い版だけで社内ルールを決めないことが大切です。
2018年には睡眠不足に起因する事故防止対策が強化され、点呼時の確認・記録や運転者への指導が明確化されました。
谷川武先生の令和4年度講習資料「プロドライバーにおける睡眠時無呼吸症候群スクリーニングの重要性」も公開されています。眠気や肥満の有無だけに頼らない検査と、検査後の対応を社内教育の参考にできます。
トラック協会のSAS検査助成
全日本トラック協会では、都道府県のトラック協会を通じてSASスクリーニング検査への助成を行っています。対象となるのは指定機関が実施する健康保険適用外の検査で、地域・年度・予算により条件が異なります。
神奈川県・令和8年度の例
- 対象:会費の滞納がない会員事業者に雇用され、神奈川県内の営業所に所属する運転者など。
- 助成:検査費用の半額、上限2,500円/人。100円未満切捨て。
- 人数:会費請求台数分(被牽引車を除く)、1社上限200人。
- 事前申込:2026年12月28日必着。検査・支払完了は2027年2月26日まで。実績報告書は、決定通知日から4か月以内または2027年2月26日の、いずれか早い日までに提出します。
検査機関に申し込む前に、所属するトラック協会へ助成の手続きを確認してください。予算到達時は早期終了し、国の助成との重複や再検査費用などに制限があります。
2026年10月8日確認。RESM新横浜は神奈川県の指定機関一覧に掲載されています。実際の受付・見積り・助成適用は各窓口で確認してください。
個人の受診・企業のSAS検診相談
個人の方は、いびき・無呼吸、運転中の眠気、ヒヤリ・ハット、服薬状況を医療機関へ伝えてください。武蔵小杉・南武線・東急沿線で睡眠外来を探す方は、当サイトの診療案内と開院・予約情報もご確認ください。
紹介元の先生へ
紹介時は、職業・運転頻度、日中の眠気と運転中のエピソード、睡眠時間・交代勤務、服薬、既存の検査結果やCPAP使用状況をお知らせください。運転適性は検査値のみで一律に決めず、症状・治療反応・業務内容を合わせて検討します。
企業の検診を希望する担当者の方へ
企業単位のSASスクリーニングのご相談は、現在RESMへお問い合わせください。対象人数・実施希望時期・営業所・助成利用の希望を用意すると相談が進めやすくなります。
企業のSAS検診を相談する|外部サイトへのご案内を開く
ここから先は、RESMの外部サイトへ移動します。ZZZ.Labの予約・お問い合わせフォームとは別です。
お問い合わせ時に「ZZZ.Labの眠気・薬と運転のページを見た」とお伝えいただくとスムーズです。RESMの案内ページ内のフォームから、検診の相談や見積り依頼ができます。
申込→機器の郵送→担当者から配布→自宅で検査→返却→結果案内の流れが掲載されています。結果の共有方法・同意、要精査後の受診、費用・助成手続きも併せて確認してください。
説明を確認してRESMのSAS検診ページへ ↗参考文献・出典
電子添文の確認日:2026年9月29日。注意事項は改訂されるため、リンク先の最新版をご確認ください。
- トリアゾラム/ハルシオン:電子添文 8.2項
- ブロチゾラム/レンドルミンD錠:電子添文 8.1項
- フルニトラゼパム/サイレース:電子添文 8.1項
- ゾルピデム酒石酸塩/マイスリー:電子添文 8.2項
- エスゾピクロン/ルネスタ:電子添文 8.2項
- スボレキサント/ベルソムラ:電子添文 8.1項
- レンボレキサント/デエビゴ:電子添文 8.1項
- ダリドレキサント/クービビック:電子添文 8.1項
- ボルノレキサント/ボルズィ:電子添文 8.1項
- ラメルテオン/ロゼレム:電子添文 8.1項
- プラミペキソール塩酸塩水和物/ビ・シフロール通常錠:電子添文 1(警告)・8.1項
- ガバペンチン エナカルビル/レグナイト:電子添文 8.2項
- クロナゼパム/リボトリール:電子添文 8.7項
- モダフィニル/モディオダール:電子添文 8.1項
- メチルフェニデート塩酸塩/リタリン通常錠:電子添文 8.6項
- オベポレクストン/オーゼイフル:電子添文 8.1項
- チルゼパチド/ゼップバウンド皮下注アテオス:電子添文 8.12項
- アリピプラゾール/アリピプラゾール錠3・6・12・24mg「YD」:電子添文 8.1項
- リスペリドン/リスパダール錠1・2・3mg/細粒1%:電子添文 8.2項
- オランザピン/ジプレキサ細粒1%:電子添文 8.6項
- クエチアピンフマル酸塩/セロクエル25・100・200mg錠/細粒50%:電子添文 8.6項
- ブレクスピプラゾール/レキサルティ錠1・2mg:電子添文 8.1項
- ルラシドン塩酸塩/ラツーダ錠20・40・60・80mg:電子添文 8.2項
- セルトラリン塩酸塩/ジェイゾロフト錠/OD錠25・50・100mg:電子添文 8.5項
- エスシタロプラムシュウ酸塩/レクサプロ錠10・20mg:電子添文 8.5項
- ミルタザピン/リフレックス錠15・30mg:電子添文 8.5項
- フェキソフェナジン塩酸塩/アレグラ錠30・60mg:電子添文 8.1~8.2(8項全体)
- ロラタジン/クラリチン錠10mg/レディタブ錠10mg:電子添文 8.1~8.2(8項全体)
- ビラスチン/ビラノア錠20mg:電子添文 8.1~8.2(8項全体)
- デスロラタジン/デザレックス錠5mg:電子添文 8.1~8.2(8項全体)
- セチリジン塩酸塩/ジルテック錠5・10:電子添文 8.1項
- オロパタジン塩酸塩/アレロックOD錠2.5・5:電子添文 8.1項
- カルバマゼピン/テグレトール:電子添文 8.4・8.8項
- ラモトリギン/ラミクタール:電子添文 8.5・8.7項
- レベチラセタム/イーケプラ錠:電子添文 8.2項
- 厚生労働省:2013年 患者への説明に関する通知
- 日本精神神経学会:2013年声明
- 日本精神神経学会:2014年要望書
- 日本精神神経学会:2014年 運転に関するガイドライン
- 厚生労働省:2022年 運転技能への影響評価ガイドライン
- 厚生労働省:2025年 同ガイドライン補遺
- 厚生労働省:ボルズィ承認部会議事録
- PMDA:ボルズィ審査報告書
- PMDA:2026年3月17日 使用上の注意改訂
睡眠時無呼吸・企業の安全管理の資料
- 国土交通省:SAS対策マニュアル(平成27年) ↗
- 国土交通省:運転者への教育・現行マニュアル ↗
- 国土交通省:睡眠不足に起因する事故防止対策 ↗
- 谷川武:プロドライバーにおけるSASスクリーニングの重要性(令和4年度) ↗
- 国土交通省:名古屋市北区バス横転事故・2025年調査公表 ↗
- 運輸・交通SAS対策支援センター:国内における事件・事故
- 全日本トラック協会:令和8年度SASスクリーニング検査助成 ↗
- 神奈川県トラック協会:令和8年度助成条件 ↗
- Burks SV, et al. Sleep. 2016;39:967–975.(米国トラック運転者・観察研究) ↗
- ATS:睡眠時無呼吸・眠気と非職業運転者の運転リスク(2013) ↗
- RESM:企業向けSAS検診の案内 ↗
公表資料・助成条件の確認:2026年10月8日。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療上のアドバイスではありません。薬の服用中の運転については、必ず担当医師にご相談ください。



