海外の通販やSNSで見かける「メラトニン」。日本でも同じように使えるのでしょうか。国内の処方薬には対象となる症状が定められています。体の中で働くホルモン、国内の薬、米国のサプリメントを分けて、寝つきの悩みとの付き合い方を考えます。
日本では、どんな薬として使われる?
メラトニンは、体に夜の時刻を知らせる働きに関わるホルモンです。国内にはメラトニンを成分とする処方薬「メラトベル」があります。承認されているのは「小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善」。発達に関わる特性のある子どもの、寝つくまでの困難を対象とする薬です。
眠れない子ども全員や、大人の不眠全般に使う薬として承認されているわけではありません。診察では、眠る時刻や生活の困りごと、ほかの病気や薬の影響を確認します。

電子添文(薬の効能や注意点をまとめた文書)では、睡眠衛生(眠りやすい生活・環境の整え方)の指導や、必要に応じた行動面の治療を考えることも求めています。まずは起床時刻、朝の光、夜の明るさなどを見直し、それでも続く入眠困難について薬の必要性を相談します。「生活を整えれば必ず治る」という意味ではなく、生活への支援と薬を組み合わせて考えるということです。
ラメルテオンは「大人用メラトニン」?
ラメルテオンは、メラトニンが作用する受容体(体内の信号を受け取る場所)に働きかける別の成分です。国内では不眠症で寝つくことが難しい場合に使う処方薬があります。メラトニン製剤とラメルテオン、海外サプリを自己判断で置き換えないでください。飲む時刻や併用薬も、医師・薬剤師に確認しましょう。

米国のグミは、日本の処方薬とは扱いが違う
米国ではメラトニンがサプリメントとして販売され、グミ型の商品もあります。サプリメントは、医薬品と同じ販売前の承認制度ではありません。店頭で買えることと、一人ひとりの眠りの悩みに適した治療であることは別です。日本の処方薬の品質管理や適応と、米国の店頭商品の話を混ぜずに読みましょう。

この研究では、表示量の±10%以内に収まらない製品を「不正確な表示」としています。成分が検出されないものも、表示より多いものもありました。ただし、2022年に購入した特定の製品の調査です。「現在の全商品が同じ」「日本の処方薬も同じ」と広げることはできません。
使う前の相談と、家での保管
寝つきにくさには、睡眠時間の不足、体内時計のずれ、不眠症など、違う理由があります。眠る・起きる時刻と日中の調子を記録し、使っている薬やサプリを伝えてください。処方薬を服用している方は、この記事だけを理由に中止・増量せず、主治医に相談しましょう。

米国では、幼い子どもが管理者のいないところでメラトニンを飲み、救急を受診した事例が報告されています。お菓子と並べず、元の容器のまま、手と目が届かない場所へ。施錠できる保管も役立ちます。誤って飲んだ疑いがあれば、製品を手元に置いて医療機関や中毒の相談窓口へ連絡してください。これは、医師が管理する小児治療とは別の問題です。
「メラトニンだから」と一括りにせず、どの製品を、何のために使うのかを確かめることから始めましょう。
参考文献・出典
この記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の診断や治療は、症状・生活・服用中の薬などを確認して判断します。




