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ZZZ.Lab 睡眠クリニック 武蔵小杉

CIRCADIAN RHYTHM

眠る・起きる時刻がずれる方へ

概日リズム睡眠・覚醒障害

眠る時刻と、学校や仕事で必要な時刻が合わないと、毎日の生活がつらくなります。平日と休日に何時から何時まで眠っているかを伺い、睡眠不足や体内時計のずれがないか調べます。

用語の説明
概日リズム
約1日を周期とする、眠りや体温などのリズム。
SCN(視交叉上核)
光の情報を受け取り、体内時計の時刻合わせを担う脳の部分。
ソーシャルジェットラグ
平日と休日で睡眠の時間帯がずれること。社会的時差ぼけとも呼びます。
アクチグラフィ
腕などに着けた機器で活動を記録し、眠りのリズムを推定する方法。

症状を知る

睡眠の時刻がずれるタイプ

夜型だけでなく、夕方に眠くなり早朝に目覚めるなどのタイプもあります。希望する時刻と実際の眠りのずれを確認します。

睡眠・覚醒相後退障害では、眠りと目覚めが遅い側へずれます。自由な時刻に眠れば比較的よく眠れる一方、朝の予定に合わせると睡眠不足が重なることがあります。睡眠・覚醒相前進障害では、夕方から眠くなり、望むより早朝に目覚めます。[2・3]

睡眠の時刻が日ごとにずれる非24時間睡眠・覚醒リズム障害、睡眠がまとまらず分散するタイプ、交代勤務などに伴う問題もあります。睡眠の記録からずれ方を確かめ、それに合った治療を考えます。[2・3]

深夜2時の時計のそばで、こちらを向いて横になり、寝つけず眉を寄せている女性。
夜、眠りたいのに眠れない
深夜2:00。眠気が来る時刻が遅く、朝の登校・出勤がつらい。
早朝4時30分、予定より早く目覚め、ベッドの端に座って薄暗い窓の外を見ている男性。
まだ早い時間に、目が覚めてしまう
早朝4:30。望む時刻より早く目覚め、夕方から眠気が強くなることも。
時刻は一例です。早朝の目覚めだけでリズム障害と判断せず、寝つく時刻や生活への支障も確認します。

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体内時計のずれ・不眠症・睡眠不足の違い

希望の時間帯では眠れなくても、制約のない日には眠りやすいかが重要な手がかりです。ただし、休日に長く寝るだけでは診断できません。平日の睡眠不足の回復、気分の不調、薬の影響、睡眠時無呼吸症候群などが関係することもあり、複数の問題が重なっていないかを調べます。[1・2]

朝起きづらい理由には、体内時計のずれや睡眠不足などがあります。学校や仕事の予定、通勤・通学、光を浴びる時間、夜の過ごし方を伺い、生活のどこで困るかを確かめます。[1]

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体内時計と光の仕組み

眠気には、長く起きているほど眠りたくなる仕組みと、約24時間の体内時計が関わっています。体内時計は光などの環境の手がかりによって調整されます。疲れているのに寝たい時刻に眠れないときは、体内時計のずれが関係していることもあります。[1・2]

朝型・夜型には個人差があります。その傾向があること自体を病気とは呼びません。本人が必要とする時刻に眠る・起きることが継続して難しく、不眠や眠気、遅刻、欠席などの支障につながるかを確認します。[1]

眠気は「睡眠圧」と「体内時計」で変わる

長く起きているほどたまる「眠りたい力」が睡眠圧です。一方、体内時計には、時刻に応じて「起きている力」を支える働きがあります。この2つを重ねると、疲れていても眠りにくい時間帯があることが分かります。

睡眠圧と体内時計の覚醒作用を同じ時間軸に重ねた図。昼すぎ、夕方、夜の2本の線の縦の開きに注目。

夕方から夜の初めには、体内時計の覚醒作用が強まり、たまった睡眠圧があっても眠気が弱まることがあります。その後、いつもの就寝時刻に近づいて覚醒作用が弱まると、眠りにつきやすくなります。

体内時計が後ろにずれていると、早く床についても眠りにくいことがあります。図の時刻は昼型の生活の一例で、眠気が強まる時刻は生活習慣や体内時計によって異なります。

そこで、眠る時刻だけでなく、体内時計に時刻を知らせる光の浴び方も見直します。次に、目から入った光が脳の体内時計に伝わる仕組みを見ていきましょう。

光が体内時計を合わせるしくみ

脳の視床下部にある視交叉上核(しこうさじょうかく:SCN)は、体内時計の中枢です。目の網膜が光を受け取ると、その情報が神経の信号としてSCNに届きます。この外からの合図を使って、体内時計を昼夜の24時間に合わせ直すことを「同調」、日常的には「リセット」と呼びます。睡眠・覚醒だけでなく、体温やホルモン分泌のリズムも調整しています。[5]

光を受けた網膜から脳の視交叉上核(SCN)へ神経信号が伝わり、自律神経やホルモンなどを介して全身のリズムを調整する流れ。
光は網膜で神経の信号に変わり、脳へ伝わります。SCNは自律神経やホルモンなどを介して、全身の一日のリズムを調整します。[5・9]

光などによる時刻合わせがない条件で調べた研究では、人の体内時計の周期は平均24.18時間(約24時間11分)でした。個人差はありますが、地球の1日とぴったり同じではないため、毎日の調整が大切です。朝の光は一般に時計を早める方向、夜の強い光は遅らせる方向に働きますが、効果は浴びる時刻やその人のリズムによって変わります。[2・5・6]

「眠れる時刻」と「起きなければならない時刻」が合わないと

夜は眠ろうとしても眠れず、朝は起きられない。無理に起きると、授業や仕事中に眠くなる。こうした生活の困りごとを、睡眠の長さと体内時計の両面から考えます。

メラトニンが増え始める時刻は、年齢でどう変わる?

メラトニンは、脳の松果体から分泌される、夜の時刻を伝えるホルモンです。薄暗い環境で唾液中の濃度を測り、増え始める時刻を調べる指標をDLMO(薄明下メラトニン分泌開始時刻)と呼びます。

複数の研究の個人データを集めた解析では、10代では遅く、成人後は全体として早まる傾向がみられました。図の点が年代ごとの平均、横線が個人差の広がりです。

年代を縦軸、18時から翌2時を横軸にしたメラトニン分泌開始時刻。10~19歳の平均は22時29分で、成人後は全体として早まる。横線は平均±1標準偏差。

同じ年代でも時刻には大きな違いがあります。これは同じ人を年齢とともに追った結果ではなく、異なる研究の参加者を年代別にまとめたものです。平均時刻を目標に寝る必要はありません。実際の眠りや起きる時刻、生活への支障を合わせて確認します。

診察・検査を知る

体内時計のずれの診察|睡眠日誌と必要な検査

寝た時刻・起きた時刻・昼寝などを、休日も含めて記録します。記録がそろっていなくても、まずは相談できます。

就床、入眠のおおよその時刻、起床、昼寝、勤務や登校の時間を、休日も含めて記録します。記録を続けると、曜日による違いや、寝る時刻が少しずつ遅くなる様子が分かります。分かる範囲の記録で構いませんので、受診時にお持ちください。[2・4]

必要に応じて、活動量計などを用いて睡眠・覚醒のパターンを補助的に評価します。一晩の眠りを記録する検査(PSG)はリズム障害の全員に必須ではなく、ほかの睡眠障害が疑われる場合などに検討します。体内時計の詳細な検査を行うかも、目的と実施体制によります。[2・4]

活動量計による評価を行う予定です。貸出・記録方法と費用は、受付開始前にご案内します。装着方法や費用については、活動量計の検査案内をご覧ください。

睡眠時間の帯を記入した睡眠日誌とペンを置いた寝室のイメージ
睡眠日誌の記入例。眠った時間帯に加え、昼寝や日中の調子も記録します。

受診時にお持ちいただくもの

服用中の薬やサプリメントが分かるもの、睡眠日誌、過去の検査結果があればお持ちください。

症状を知る

平日と休日の睡眠のずれ|社会的時差ぼけとは

平日と休日で睡眠の時間帯がずれることを、ソーシャルジェットラグ(社会的時差ぼけ)と呼びます。学校・仕事のある日と、自由に眠れる日の「睡眠中央時刻」の差を、ずれの目安として使います。[7]

睡眠中央時刻とは、眠り始めから目覚めまでの真ん中の時刻です。以下は、途中で長く起きる時間がないものとして計算した例です。

平日0時〜6時と休日2時30分〜10時30分の睡眠を共通の時間軸で比較。睡眠の中点をオレンジで示し、3時と6時30分の差は3時間30分。下段は日本とインドの時差にたとえた図。
時差は、睡眠時間帯のずれの大きさを伝えるたとえです。旅行による時差ぼけとは、体への影響が異なります。[7・8]

この例では、休日に2時間長く眠っています。体内時計のずれに加え、平日の睡眠不足を補っている可能性も考えます。[7]

週末だけ、日本とニューデリーを往復するような時差

日本(UTC+9)とインドのニューデリー(UTC+5:30)の時差は3時間30分。日本が9:00のとき、ニューデリーは5:30です。平日と休日の睡眠中央時刻が3時間30分違う生活を、週末に日本からニューデリーへ飛び、週明けに戻ってくるような「時刻の切り替え」にたとえることができます。[8]

休日に遅くまで眠ったあと、月曜日だけ早起きへ戻すとつらくなることがあります。睡眠日誌をもとに、十分な睡眠時間と、平日・休日で続けやすい起床時刻を一緒に考えましょう。

治療・その後を知る

体内時計を整える治療|光と生活の時刻を見直す

光を浴びる時間や、起床・食事・活動の時刻を調整します。適切なタイミングは、リズムのずれ方によって異なります。

起床、光を浴びる時間、食事、活動、夜間の明るさなどを調整します。遅れているリズムと進んでいるリズムでは、適切な光のタイミングが異なります。診察でずれ方を確かめ、光を浴びる時間と毎日の予定を相談します。[2・3]

朝の光・朝食・日中の運動を、毎日のセットに

体内時計を整える手がかりは、光だけではありません。起きたら朝の光を取り入れ、朝食をとり、朝〜日中に体を動かす。この3つを、無理なく続けられる生活の流れに組み込みましょう。

朝の光は脳の中枢時計へ、食事や活動の時刻は末梢時計にも働きかける。
同じ朝の流れで、ベランダで光を浴び、朝食を食べ、屋外を散歩する女性の後ろ姿。

脳の時計と、体の各所の時計

脳の視交叉上核(SCN)にある「中枢時計」は、目に入る光を主な手がかりに、1日の時刻を合わせます。肝臓や筋肉などにも「末梢時計」があり、食事や活動の時刻にも反応します。これらが連携して、眠り・体温・代謝などのリズムを作っています。

  • 朝の光:起床後にカーテンを開け、可能なら外の明るさを取り入れましょう。太陽を直接見る必要はありません。
  • 朝食:毎朝、なるべく同じ時間帯に。朝食を抜きがちな方は、食べられる量から習慣にしましょう。
  • 朝〜日中の運動:通勤時の散歩や昼間の体操など、続けやすい運動を取り入れましょう。

光・食事・運動は、それぞれ異なる手がかりです。起きる時間を軸に、3つを繰り返すことで、昼に活動し、夜に休む生活を作りやすくなります。極端な早朝覚醒や交替勤務では、光を浴びる時間を診察で相談してください。

薬物療法を検討する場合も、服用時刻が重要です。海外ガイドラインのメラトニンに関する推奨は、国内の製剤・適応・年齢条件と同じではありません。サプリメントを自己判断で増やしたり、徹夜して一気に時計を戻そうとしたりせず、医師と方法を相談します。[2]

ラメルテオンと体内時計の治療

ロゼレム錠8mg(ラメルテオン)のPTP包装の表面と裏面
ロゼレム錠8mg(一般名:ラメルテオン)の製品写真。写真の包装は撮影時のものです。

ラメルテオン(ロゼレム)は、メラトニン受容体に作用するお薬です。国内では「不眠症における入眠困難の改善」に承認されています。寝つきや睡眠リズムのお悩みについて、症状・生活の時刻・併用薬を確認し、開院後の診察で、必要に応じて処方を検討する方針です。

概日リズム睡眠・覚醒障害そのものへの使用は国内の承認適応とは異なるため、治療の目的、服用時刻、保険診療上の扱いなどを主治医と確認します。眠気やめまい、併用薬にも注意が必要です。自己判断で服用時刻や量を変えず、光・生活リズムの調整と合わせて相談しましょう。

薬の情報:PMDA:ロゼレム錠8mgの電子添文。

不眠症の治療とラメルテオンの説明へ →

治療・その後を知る

学校・仕事との調整と治療後の確認

十分に眠る時間を確保しながら、学校や仕事に合わせて続けられる起床時刻や日中の過ごし方を考えます。予定の調整が必要な場合は、本人の希望と状況に応じて学校や職場への説明も検討します。[1・3]

経過では、日誌の時刻、起床のしやすさ、日中の眠気、遅刻・欠席などの変化を確認します。休日や長期休暇でリズムが変わることもあるため、維持しやすい方法を相談します。夜勤や交代勤務のある方は勤務表もお持ちください。[3・4]

夏休みのあと、朝の予定に戻れないとき

たとえば、普段は0時〜6時に眠る人が、休み中に2時30分〜10時30分に眠る生活になると、起床は4時間30分遅くなります。休み明けに6時起きへ戻しても、寝つく時刻が2時30分のままなら睡眠は3時間30分に。夜更かしが続いたあとの「朝起きられない」「午前中に眠い」につながります。

上の時刻は説明のための例です。必要な睡眠時間を十分に確保し、光を浴びる時間や生活の予定を少しずつ整えながら、休み明けに備えます。[1・3]

よくあるご質問

Q. 夜更かしをやめれば治りますか?

生活習慣が関係する場合もありますが、それだけでは説明できないこともあります。眠れる時刻と起床のパターンを記録して評価します。

Q. 休日に昼まで眠るのは病気ですか?

平日の睡眠不足の回復かもしれませんし、リズムのずれが関わることもあります。休日の一日だけでなく、平日を含めた経過を見ます。

Q. 睡眠薬で早く寝ればよいですか?

体内時計がずれている場合は、光を浴びる時間や起床時刻の調整も必要です。薬を使うか、何時に飲むかは、睡眠の記録を見ながら相談します。

Q. 子どもも相談の対象になりますか?

小児・思春期と成人では評価や治療条件が異なります。受診をご希望の場合は、年齢と困っている症状を受診前にお問い合わせください。

一般的な疾患・検査・治療の説明です。実際の診断や治療は個別の状態により異なります。

参考文献・出典
参考文献・研究の補足を詳しく見る
食事・運動の研究を詳しく見る

ヒトの実験では、食事全体を5時間遅らせると血糖や脂肪組織の時計遺伝子のリズムが遅れましたが、中枢時計の指標であるメラトニンの時刻は変化しませんでした。運動の研究では、朝や午後の運動でリズムが早まる反応がみられました。3点セット自体が特定の睡眠障害を治すと検証されたわけではなく、各研究を毎日の習慣に生かした提案です。

Kennaway DJ. SLEEP 2023;46(5):zsad033:年代別のメラトニン分泌開始時刻(Table 3)。図は健康な参加者の個人データによる平均±1標準偏差を使用。人数が3人の80~89歳群は図から除外。原著の小数表記の時刻を時分へ換算しています。

開院後のご相談について

当院の診療対象は13歳以上(中学生以上)です。2027年春ころ、武蔵小杉駅周辺での開院を予定しています。

朝起きられない、学校や仕事の時間と眠る時刻が合わない、といった困りごとの相談を想定しています。記事では思春期を含む幅広い年代を扱っていますが、当院の診療対象は13歳以上(中学生以上)です。

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