夜勤明けは疲れているのに眠れず、勤務中は強く眠くなる。昼夜をまたいで働く方にとって、睡眠の工夫は「毎朝同じ時刻に起きる」だけでは済みません。夜勤の前・明け・休日に分けて、休息を確保する順番を考えます。勤務表や家庭の事情に合わせて使えるところから取り入れてください。
疲れているのに、昼は眠りにくいのはなぜ?
眠気には、起きている間にたまる睡眠への欲求と、時刻に応じて目覚めや眠りを支える体内時計が関わります。夜勤明けに眠りたい気持ちが強くても、朝の光や日中に目が覚めやすくなる体の働きが重なると、睡眠が短くなりやすくなります。
「眠れるときに寝れば同じ」とは限らないのは、このためです。連続する夜勤か、短い間隔で日勤と入れ替わるかでも調整は変わります。まず確保したいのは、勤務の合間に十分な睡眠を取れる時間帯です。勤務表に出勤と通勤の時刻を書き、その前後に主な睡眠の枠を取ると、休める時間を家族や職場とも共有しやすくなります。
勤務前と勤務中:仮眠は補助として使う
朝に帰宅する夜勤が続く場合なら、帰宅後のまとまった睡眠を先に確保し、足りない分を次の出勤前の仮眠で補う組み方が考えられます。家事や育児は、できる範囲で担当や時間を調整します。これは一例で、固定の時刻や時間数を全員に当てはめるものではありません。
勤務中の仮眠は、職場のルールや交代体制の中で取り入れます。主な睡眠を確保したうえで、仮眠を補助として使います。短い仮眠だけで一日分の睡眠を済ませることはできません。

起きた直後は、頭がぼんやりする「睡眠慣性」が出ることがあります。仮眠終了からすぐに運転や重要な操作へ移らず、目が覚めるまでの余裕を組み込みます。何分眠るかだけでなく、前後の業務まで含めて計画しましょう。
カフェインは眠気を一時的に和らげても、その後の睡眠を妨げる場合があります。帰宅後に眠る予定から逆算し、勤務の終盤に重ねて飲まない工夫を。効き方や残り方には個人差があるため、「この時刻までなら誰でも大丈夫」とは決められません。
夜勤明け:用事より先に睡眠の場所と時間を守る
帰宅後の買い物や家事をまとめて済ませたくなりますが、その間に眠る機会が削られます。できる範囲で用事を後に回し、眠れる時間帯を家族と共有します。遮光カーテン、通知の停止、室温の調整なども、昼の睡眠を支える工夫です。
帰り道で強く眠いときは、運転を続けないことを優先してください。安全な場所で休む、公共交通機関や送迎を使うなど、帰宅方法の代替をあらかじめ考えます。窓を開けたり音楽を大きくしたりするだけでは、眠気による運転の危険は防げません。
夜勤明けに無理に夕方まで起き続け、夜の睡眠へ一気に戻そうとすると、長い覚醒時間になります。次の勤務までの間隔に合わせて、まず必要な休息を取り、寝酒で眠ろうとしないことも大切です。
休日と相談:勤務表も一緒に見せる
連続夜勤の途中の休日と、日勤へ戻る前の休日では、睡眠の組み方が違います。次の勤務、通勤、育児などの予定を並べて、無理なく確保できる睡眠を考えます。
勤務と睡眠の時刻、眠気が強かった場面、カフェインや仮眠を簡単に記録すると、相談しやすくなります。休める機会があっても不眠や強い眠気が続く場合は、かかりつけ医や睡眠外来へ。勤務に伴う睡眠の問題だけでなく、無呼吸など別の原因がないかも確認します。

夜勤の眠気は、本人の工夫だけに任せる問題ではありません。運転や作業でヒヤリとした場合は、症状が続くまで待たず、職場の担当者や産業医に相談してください。連続勤務、休憩、仮眠、帰宅方法も含めて、次の勤務を安全に過ごす方法を考えます。
参考文献・根拠と読み方
確認日:2026年10月21日。研究の対象・期間と、日本の診療との違いを踏まえて参照しています。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療上のアドバイスではありません。体調や服薬、運転を含む日常生活での注意は、担当医師にご相談ください。




