寝室から聞こえる子どものいびき。「疲れてよく眠っているのかな」と思う一方、呼吸が苦しそうだと気になります。いびきの音だけで病気は決められませんが、繰り返すときは夜の呼吸と昼の様子を一緒に見ると、相談の手がかりになります。家庭で確認する点をまとめます。
大きさだけでなく、呼吸の様子を見る
かぜで鼻が詰まっているときだけのいびきと、体調が戻っても続くいびきでは、経過が違います。いつから、どのくらいの頻度かを確かめてみましょう。毎晩見張ったり、音量を測り続けたりする必要はありません。
いびきの合間に息が止まる、あえぐように息を吸う、胸やお腹を大きく動かして苦しそうに呼吸する、口呼吸が続くといった様子は、診察で伝えたい情報です。寝汗や落ち着かない寝方も、ほかのサインと合わせて確認します。

体調が戻ってもいびきが繰り返すときは、苦しそうな呼吸を確認できなくても相談して構いません。普段の短い動画は診察の参考になりますが、無理に撮る必要はなく、動画だけで無呼吸を診断できるわけでもありません。
昼のサインは「眠そう」だけとは限らない
子どもの睡眠中の呼吸の問題では、朝起きづらい、日中眠そうという様子のほか、落ち着かなさや注意の向けづらさがみられることもあります。ただし、こうした様子には多くの背景があります。勉強や行動の問題をすべて無呼吸のせいにしないことも大切です。
食欲、成長、学校での様子など、気になった変化があれば一緒に伝えます。「以前と比べてどうか」「夜の呼吸が気になり始めた時期と重なるか」を整理すると、診察で経過を伝えやすくなります。
睡眠時間が足りない、寝起きの時刻がずれていることが重なっている場合もあります。睡眠時間や生活リズムも確認し、呼吸の様子と合わせて伝えましょう。
まず小児科・耳鼻咽喉科で相談を
当院(ZZZ.lab)の診療対象は13歳以上です。13歳未満のお子さんは、まずかかりつけの小児科・耳鼻咽喉科へご相談ください。13歳以上でも、持病や検査の条件に応じて小児の専門施設をご案内することがあります。
子どもの気道が狭くなる背景には、扁桃(のどの奥のリンパ組織)やアデノイド(鼻の奥のリンパ組織)が大きいこと、鼻の通り、肥満などがあります。体格だけで有無を決めることはできません。診察では、年齢、体の成長、鼻やのどの状態と睡眠の様子を合わせて評価します。
相談先はかかりつけの小児科や耳鼻咽喉科です。必要に応じて小児の睡眠を扱う医療機関へつながり、睡眠検査を検討します。成人向けのチェック表や無呼吸の回数の基準を、家庭でそのまま子どもに当てはめないでください。
近隣の小児科・耳鼻咽喉科でも、呼吸や酸素を記録する簡易検査を扱う医療機関があります。対応年齢と検査内容を先に確認しましょう。簡易検査だけでは子どもの睡眠中の呼吸を十分に評価できない場合があり、必要に応じて脳波も測るPSG(終夜睡眠ポリグラフ検査)を行う施設へ紹介します。

- いびきは、いつから・どのくらいあるか
- 息が止まる、苦しそうに呼吸する様子があるか
- 寝る時刻と起きる時刻
- 朝や日中に気づいた変化
東京で小児の睡眠検査を相談するには
東京都内の5施設について、公式サイトの案内を整理しました(2026年10月22日確認)。小児の入院PSGを明記する施設と、個別確認が必要な施設を分けています。紹介状の要否・対象年齢・付き添い・予約方法は、かかりつけ医と相談のうえ各施設へご確認ください。
東邦大学医療センター大橋病院 耳鼻咽喉科
小児の入院PSGを明記
小児の閉塞性睡眠時無呼吸について、1泊2日のPSGで詳しく調べ、治療方針を検討すると案内されています。
国立成育医療研究センター
小児の入院PSGを明記
「重症睡眠時無呼吸(2歳以下)」のページに、入院して一晩の睡眠を調べる検査の記載があります。重症例・低年齢児を中心とする案内で、すべてのお子さんが同じ窓口の対象になるわけではありません。
国立精神・神経医療研究センター病院
小児のPSGと病院の入院PSG案内あり
小児睡眠障害専門外来でPSGを行う記載があります。病院のPSG案内は1泊2日ですが、お子さんの年齢・症状に応じた実施条件は外来で確認してください。検査のみを直接予約するのではなく、まず診察を受けます。
睡眠総合ケアクリニック代々木
小児外来と検査入院の案内あり
15歳以下の小児睡眠障害外来と、1泊の検査入院の案内があります。未就学児では睡眠検査を十分に行えない場合があるとの記載があり、いびき・無呼吸の検査対象や付き添い条件は事前にご確認ください。
御茶ノ水呼吸ケアクリニック
PSGの記載あり/小児対応は要確認
公式サイトにPSG・簡易睡眠検査の案内はありますが、小児の対応年齢や小児入院PSGの条件は確認できませんでした。小児の検査先として予約する前に、対応の可否と実施場所をご確認ください。
治療は原因に合わせ、治療後も様子を確認する
扁桃やアデノイドの影響が大きい場合は手術が検討されることがありますが、いびきがある子ども全員に必要という意味ではありません。鼻の病気への対応、体重や生活の調整、状況によってはCPAP(マスクから空気を送り、呼吸の通り道を保つ治療)など、原因と重症度に応じて選択します。
音が小さくなったかだけでなく、呼吸、昼の調子、成長などを治療後も見ていきます。症状が残れば再評価が必要です。「治療したから、もう確認しなくてよい」とは限りません。
相談のときは、夜の呼吸と昼の様子を一緒に伝えましょう。家族が原因を突き止める必要はありません。かかりつけの小児科や耳鼻咽喉科と、必要な診察や検査を考えていけます。
参考文献・根拠と読み方
確認日:2026年10月22日。研究の対象・期間と、日本の診療との違いを踏まえて参照しています。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療上のアドバイスではありません。体調や服薬、運転を含む日常生活での注意は、担当医師にご相談ください。




